物忘れを主訴に来院された方は女性がやや多く55%で平均年齢74歳です。このうち認知機能は正常であった方が31%(平均MMSE=29)、治療介入により認知症への進行を防ぐことができる認知症予備軍とも言える軽度認知障害(MCI)の方が10%(平均MMSE=26)、軽度の認知症の方が29%(平均MMSE=22)、治療効果が得られにくい中等度から重度の認知症の方がそれぞれ10%(平均MMSE=19)、12%(平均MMSE=13)でした。また、いわゆる認知症とは異なり認知機能の低下を伴う脳の別の病気が見つかった方は全体の8%で、このうち特発性水頭症が4%、脳腫瘍が2%、パーキンソン病が2%でした。認知症と診断された方の20%が投薬治療やリハビリテーションを開始されています。
*MMSEとは認知機能のスクリーニング検査の一つであるMini-Mental State Examinationのことで、30点満点で点数が低いほど認知機能障害が強く疑われます。